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北朝鮮は「地上の楽園」に誘われた日本人に補償するのか?

【概要】南中国モーニング・ポスト(SCMP)は、かつて「地上の楽園」と宣伝され北朝鮮に渡った在日コリアンおよび日本人配偶者への補償問題を取り上げた。北朝鮮帰還事業によって渡航した人々の権利回復が改めて問われている。

【詳細】1959年から1984年にかけて実施された北朝鮮帰還事業では、約9万3000人の在日コリアンとその日本人配偶者約6800人が北朝鮮へ渡った。北朝鮮は当時「地上の楽園」として宣伝活動を展開し、朝鮮総連や日本赤十字社、国際赤十字も関与した大規模な移住事業だった。しかし渡航者の多くは過酷な生活環境に直面し、日本への帰国も許されなかった。被害者や遺族は北朝鮮政府に対する補償を求めているが、北朝鮮側が応じる見込みは極めて低い。

【背景・影響】この問題は拉致問題とも密接に関連しており、日朝関係の長年の懸案事項の一つである。高市早苗首相の下でも拉致問題解決は最重要課題とされており、帰還事業被害者の問題が再び国際的な注目を集めることで、日朝交渉の新たな論点となる可能性がある。

AIの視点

🇭🇰 香港SCMPは、北朝鮮のプロパガンダによって人生を狂わされた人々の人権問題として報じている。冷戦期の東アジア情勢を背景に、国家による組織的な欺瞞の歴史的責任を問う論調が見られる。
🇯🇵 日本では帰還事業は拉致問題の陰に隠れがちだが、被害者家族の高齢化が進む中で「もう一つの北朝鮮問題」として再認識される動きがある。特に日本人配偶者の問題は、自らの意思で渡航したとはいえ、虚偽の宣伝に基づく判断だったとして同情的な世論が根強い。
🔍 背景として、帰還事業は冷戦下で北朝鮮・日本双方の思惑が一致した結果実現した。北朝鮮は労働力確保、日本政府は在日コリアンの生活保護費削減を目的としていたとされる。国際法上、国家が虚偽の宣伝で自国民を誘引した場合の補償責任は前例が少なく、法的追及は極めて困難である。

元記事: SCMP