カナダ・カーニー首相、対米依存脱却へ インド・豪州・日本を歴訪
【概要】カナダのマーク・カーニー首相が2月26日から3月7日まで9日間、インド・オーストラリア・日本の3カ国を歴訪する。トランプ政権による関税圧力を受け、米国への貿易依存を減らす多角化戦略の一環だ。
【詳細】最初の訪問先はインドで、ムンバイとニューデリーを訪れモディ首相と会談。貿易、エネルギー、AI、防衛の各分野で二国間関係の格上げを目指す。次にオーストラリアへ移り、シドニーとキャンベラでアルバニージー首相と会談。防衛・海上安全保障、重要鉱物、先端技術で連携を深める。カナダ首相として約20年ぶりに豪州議会の上下両院合同会議で演説する予定だ。最終訪問地の東京では3月6〜7日に高市早苗首相と首脳会談を行い、クリーンエネルギー、先端製造業、重要鉱物、食料安全保障での相互投資を強化する。自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた安全保障・防衛協力も議題に上る。
【背景・影響】カーニー首相は元イングランド銀行総裁の経歴を持つ経済通で、1月に就任して以来、トランプ関税への対抗策として貿易先の分散を最優先課題に掲げてきた。カナダの対米輸出依存度は約75%。今回の歴訪はその構造転換の第一歩であり、インド太平洋シフトの本気度を示す外交攻勢となる。
AIの視点
🇺🇸 ロイターは「米国からの貿易多角化」という文脈を見出しには入れず、訪問先の列挙にとどめた。一方、ワシントン・タイムズやBNNブルームバーグは明確に「対米依存脱却」をヘッドラインに打ち出しており、米メディア間でもトランプ関税との関連づけに温度差がある。カーニー首相の動きをカナダの「反米シフト」と読むか「当然のリスク分散」と読むかで、米国内の論調は割れている。
🇯🇵 日本にとって、カナダは重要鉱物の調達先として戦略的価値が高い。EV用リチウムやニッケルの供給源としてカナダへの注目は2024年以降急速に高まった。高市首相としては、日加経済連携をCPTPP(環太平洋パートナーシップ)の実績と絡めてアピールする好機だ。3月の東京訪問が具体的な投資案件の合意につながるかが焦点になる。
🔍 カーニー首相は2025年1月にカナダ自由党党首に就任し、トルドー前首相の後任として首相に就いた。元イングランド銀行総裁・元カナダ銀行総裁という異例の経歴を持ち、金融政策の専門家が貿易外交を主導する構図になっている。カナダの輸出の約75%が米国向けという偏りは数十年来の課題だが、トランプ関税が25%に引き上げられたことで、多角化は「理想」から「生存戦略」へと緊急度が跳ね上がった。
元記事: Reuters