日本、豪ライナスとレアアース供給契約を改定――2038年まで延長で資源確保
【概要】日本がオーストラリアの鉱山会社ライナス・レアアースと供給契約を改定し、2038年まで延長した。Financial Timesが報じた。中国依存からの脱却を図る資源戦略の一環だ。
【詳細】新たな契約では最低価格(フロアプライス)が設定され、ライナスに対する投資の安定性が高まった。WSJの報道によれば、日本側はJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)を通じて長期的な調達を保証する形をとる。レアアースはEV(電気自動車)のモーター、風力発電機、防衛装備品に不可欠な素材であり、現在も世界生産の約60%を中国が占めている。日本は2010年の中国によるレアアース輸出規制を教訓に、調達先の多角化を進めてきた。ライナスはオーストラリア・マウントウェルド鉱山で中国外の最大のレアアース生産者だ。
【背景・影響】イラン情勢や米中対立の激化で、サプライチェーンの「脱中国」は加速している。日本はレアアースのリサイクル技術でも世界をリードしており、調達と代替技術の両面から供給リスクの低減を図る姿勢を鮮明にした。
AIの視点
🇬🇧 FTは「locks in」という表現で日本の資源確保に対する強い意志を伝えた。英国メディアとしてサプライチェーン安全保障への関心は高く、同様の課題を抱える欧州各国にとっても参考事例として取り上げている。
🇯🇵 2010年の尖閣諸島沖漁船衝突事件後、中国がレアアースの対日輸出を事実上制限した「レアアースショック」は日本の資源外交を根本的に変えた転機だった。あれから16年、調達先の分散に加え、日立金属(現プロテリアル)の省レアアース磁石など代替技術の開発も進んでおり、中国への依存度は着実に低下している。
🔍 レアアース(希土類)は17元素の総称で、特にネオジムやジスプロシウムは永久磁石の製造に不可欠だ。ライナスは年間約1万トンのレアアース酸化物を生産する世界有数の非中国系生産者。フロアプライス制度は市場価格が急落した場合でもライナスの採算を保証するもので、日本が安定供給のために「プレミアム」を支払う覚悟を示した形になる。
元記事: Financial Times