日本、国産半導体の売上を2040年までに5倍へ――政府が野心的目標を設定
【概要】日本政府が国内で製造される半導体の売上高を2040年までに現在の5倍に引き上げる目標を打ち出した。Reutersが報じた。経済安全保障と産業競争力の回復を同時に狙う。
【詳細】経済産業省が策定した新たな半導体戦略では、国内チップ売上を現在の約3兆円規模から2040年に15兆円超へ拡大する青写真を描く。政府はRapidusやTSMCの熊本工場など、近年の大型投資を土台に、製造能力と技術力の両面で巻き返しを図る。補助金や税制優遇に加え、半導体人材の育成にも年間数千人規模の計画を盛り込んだ。米中対立が深まる中、先端半導体のサプライチェーンを「友好国」で固める動きと連動している。
【背景・影響】日本は1980年代に世界の半導体市場の50%以上を占めたが、2020年代には10%を下回るまで後退した。5倍という目標は、かつての栄光を取り戻すのではなく、AI・量子コンピューティング時代の新たなポジションを確立する戦略だ。達成には民間投資の呼び込みと技術者不足の解消が鍵となる。
AIの視点
🇺🇸 Reutersは「fivefold rise」という倍率を見出しに据え、目標の野心的さを強調した。米国から見ると、日本の半導体復興は対中テクノロジー封じ込め戦略の一環であり、同盟国の製造能力強化は歓迎すべき動きとして位置づけられる。
🇯🇵 TSMCの熊本第一工場は2024年に稼働を開始し、地元経済に大きなインパクトを与えた。「シリコンアイランド」復活への期待が九州を中心に広がる一方、Rapidusの2nm量産計画には「本当にできるのか」という懐疑的な声も根強い。政府の巨額補助金が成果につながるかどうかが国民的な関心事になっている。
🔍 半導体産業の「5倍」目標を文脈に置くと、世界の半導体市場は2040年に約100兆円規模に達するとの予測がある。日本が15兆円を達成しても世界シェアは15%程度にとどまり、1980年代のピーク(50%超)には遠く及ばない。ただし、製造装置や素材では日本企業が依然として高いシェアを持ち、東京エレクトロンやSUMCOなどはグローバルサプライチェーンの要所を押さえている。
元記事: Reuters