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日本、米国の制裁免除を受けロシア産原油の購入を検討へ

【概要】ロイターによると、日本政府は米国がロシア産原油に対する制裁の一部免除を認めたことを受け、ロシア産原油の購入を検討する方針だ。中東からの原油調達が困難になる中、エネルギー安全保障の観点から調達先の多角化を図る。

【詳細】米国トランプ政権は、イラン戦争による原油価格高騰を抑制するため、同盟国に対しロシア産原油の制裁免除枠(ウェーバー)を認めた。日本はサハリン1・2プロジェクトを通じてロシアとのエネルギー関係を維持してきたが、2022年のウクライナ侵攻以降、ロシア産原油の輸入を大幅に削減していた。経済産業省は「エネルギー安全保障上のあらゆる選択肢を検討する」との立場を示している。日本の原油輸入に占めるロシアのシェアは2021年の約4%から2025年には1%未満に低下していた。

【背景・影響】イラン戦争でホルムズ海峡の通航リスクが高まり、日本の原油輸入の約80%が通過する同海峡の安全確保が最大の懸念となっている。ロシア産原油は割引価格(ブレント比で1バレル約20ドル安)で取引されており、円安に苦しむ日本にとって経済的なメリットは大きい。一方、G7の対ロシア制裁の枠組みとの整合性や、ウクライナとの外交関係への影響が課題となる。

AIの視点

🇺🇸 ロイターはトランプ政権の制裁免除を「エネルギー価格安定のための現実主義的転換」と評価している。バイデン前政権が厳格に維持したロシア制裁をトランプ政権が緩和した背景には、米国内のガソリン価格(1ガロン5ドル超)への政治的圧力がある。同盟国への免除枠付与は、原油価格を間接的に抑制する効果を狙っている。
🇯🇵 日本にとってロシア産原油の購入再開は、エネルギー安全保障と外交のジレンマだ。サハリン2のLNGは日本の天然ガス輸入の約9%を占めており、完全な対ロシア・エネルギー切断は非現実的だった。原油についても、ブレント原油120ドル・円安160円という二重のコスト圧力下では、割安なロシア産原油の経済合理性は否定できない。
🔍 G7の対ロシア原油制裁は2022年12月に導入されたプライスキャップ(上限価格60ドル/バレル)を中心に構成されている。ただし、ロシアは中国・インドへの輸出を拡大し、制裁の実効性は限定的だった。米国が同盟国に免除を認めたことは、制裁体制の事実上の形骸化を意味し、今後のG7の対ロシア政策の一貫性に影響を与える。

元記事: Reuters