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海外メディアが報じる日本

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全 729 件の記事

🇬🇧The Guardian社会・生活

東京の交差点で少女が突き飛ばされる 日本の「ぶつかり男」問題の深層

【概要】東京都内の横断歩道で少女が見知らぬ男に体当たりされて転倒する動画がSNSで拡散し、日本社会で問題視されている「ぶつかり男(ぶつかりおとこ)」現象が英ガーディアン紙で取り上げられた。 【詳細】ガーディアン紙によると、東京・渋谷区の交差点で撮影された防犯カメラ映像には、歩行中の少女(推定10代前半)に成人男性がすれ違いざまに肩をぶつけ、少女が地面に倒れる様子が映っている。この映像はX(旧Twitter)で3,000万回以上再生された。「ぶつかり男」とは、駅構内や混雑した歩道で意図的に女性や体の小さい人にぶつかる行為を繰り返す人物を指す。警視庁は2025年に「ぶつかり行為」に関する相談が前年比40%増の約1,200件に達したと発表している。被害者の85%が女性で、10代と20代が過半数を占める。 【背景・影響】この問題は日本のジェンダー不平等と都市部のストレスが交差する地点にある。社会学者の上野千鶴子氏は「公共空間における女性への暴力の一形態」と指摘している。東京メトロは一部駅に監視カメラを増設し、暴行罪での立件事例も出始めた。海外メディアの報道は「安全な国」という日本のイメージとのギャップとして関心を集めている。

🇺🇸Bloomberg経済・ビジネス

トヨタの大型買収で日本のM&A勢い継続 企業再編の波が加速

【概要】トヨタ自動車による大型M&A案件が、日本企業の買収・合併ラッシュの勢いを維持させている。ブルームバーグがニュースレターで分析した。 【詳細】ブルームバーグのM&A専門ニュースレターによると、トヨタの大型ディール(具体的な買収対象は交渉中のため未公表)が日本のM&A市場を活性化させている。2025年の日本企業によるM&A総額は過去最高の約25兆円に達し、2026年も1-3月期だけで8兆円を超えるペースだ。トヨタは電動化・ソフトウェア領域での競争力強化を急いでおり、内製化よりも買収による技術獲得を選択した形だ。他にも日立製作所、ソニーグループ、三井物産などが大型案件を進行中で、東京証券取引所のPBR1倍割れ改善要請が企業再編の追い風となっている。 【背景・影響】日本企業のM&A活発化は、東証改革とアクティビスト投資家の圧力が主な推進力だ。2023年3月の東証要請以降、資本効率の低い企業に対する買収提案が急増した。トヨタの場合、EV市場で中国BYDやテスラに対する遅れが指摘されており、時間を買うための大型買収は合理的な選択とみられる。円安も海外企業にとって日本企業の買収コストを引き下げ、クロスボーダーM&Aの双方向化が進んでいる。

🇺🇸Bloomberg経済・ビジネス

米国、重要鉱物の価格下限設定でEU・日本と交渉進展 中国支配への対抗策

【概要】米国がEUおよび日本との間で、リチウムやコバルトなど重要鉱物の国際価格下限(プライスフロア)設定に向けた交渉を前進させた。中国による市場支配と価格操作への対抗が狙いだ。 【詳細】ブルームバーグが複数の交渉関係者の話として報じたところによると、米商務省とUSTR(通商代表部)がEU・日本の担当者と3月上旬にワシントンで協議し、リチウム、コバルト、ニッケル、レアアースの4鉱種について最低価格保証メカニズムの骨子で合意に近づいた。この仕組みでは、国際価格が一定水準を下回った場合に三極で補助金を供給し、中国以外の鉱山・精錬業者の採算を確保する。トランプ政権は「友好国サプライチェーン構築」を通商政策の柱に据えており、価格下限は西側の鉱物生産を維持するためのセーフティネットとなる。 【背景・影響】中国は現在、レアアースの精錬で世界シェアの約70%、リチウム加工で約65%を握っている。過去にも価格を意図的に引き下げて競合国の鉱山を廃業に追い込んだ前例がある。日本はレアアース輸入の約6割を中国に依存しており、2010年の尖閣諸島問題での禁輸措置がトラウマとして残る。価格下限が実現すれば、豪州やカナダの鉱山投資を後押しする効果が期待される。

🇺🇸Japan Times経済・ビジネス

日本、石油8,000万バレルの放出を約束 世界4億バレル規模の協調介入を支援

【概要】日本政府が戦略石油備蓄から8,000万バレルを放出し、総量4億バレルに及ぶ国際協調介入を支える方針を表明した。原油価格の安定と供給不安の解消を目指す。 【詳細】ジャパンタイムズによると、日本は国際エネルギー機関(IEA)加盟国との協調のもと、戦略石油備蓄から8,000万バレルの放出を段階的に実施する。全体では約4億バレル規模の放出が計画されており、日本の拠出分は全体の20%を占める。経済産業省の発表では、放出は6カ月間かけて行われ、国内の備蓄日数は約200日分から約170日分に低下する見通し。齋藤経産大臣は「日本はエネルギー安全保障のリーダーシップを発揮する」と述べた。原油先物市場はこの発表を受けて一時1バレルあたり2ドル下落した。 【背景・影響】今回の協調放出は、中東情勢の緊迫化による原油供給途絶リスクへの対応だ。日本は原油輸入の約9割を中東に依存しており、石油備蓄の戦略的運用は死活問題となる。2022年のロシア・ウクライナ戦争時にもIEA協調放出に参加した実績がある。放出後の備蓄補充コストと、円安(1ドル155円前後)による調達コスト増が今後の課題だ。

🇺🇸Reuters政治・外交

高市首相、風邪症状でイスラム圏大使との会談を中止 外交日程に影響

【概要】高市早苗首相が風邪の症状を理由に、予定されていたイスラム諸国の大使との会談を急きょ中止した。TBSが最初に報じ、ロイターが国際配信した。 【詳細】ロイター通信がTBSの報道として伝えたところによると、高市首相は3月12日朝から喉の痛みと微熱の症状があり、医師の助言を受けて公務を一部取りやめた。中止されたのはイスラム協力機構(OIC)加盟国の駐日大使らとの昼食会で、中東情勢やエネルギー協力が議題に含まれていた。官房長官の林芳正氏は記者会見で「軽い症状であり、静養により早期の復帰を見込んでいる」と説明した。翌日以降の国会出席については「体調を見て判断する」とした。 【背景・影響】高市首相は2025年10月の就任以来、精力的な外交日程をこなしてきた。3月前半だけでも東南アジア歴訪とG7外相会合への対応が重なっており、体調管理への懸念が与党内でも浮上している。イスラム圏との外交は、日本のエネルギー安全保障に直結する重要課題であり、会談の早期リスケジュールが求められる。

🇺🇸Reuters政治・外交

インドネシア・豪州の安保協力に日本とパプアニューギニアが参加へ 太平洋の多国間連携が拡大

【概要】インドネシアとオーストラリアが安全保障協力の枠組みを拡大し、日本とパプアニューギニアを新たに加える方針で合意した。太平洋地域における多国間安保ネットワークの強化を狙う。 【詳細】ロイター通信によると、インドネシアのプラボウォ・スビアント大統領とオーストラリアのアルバニージー首相がジャカルタで会談し、既存の二国間安全保障協力を四カ国枠組みに拡大することで基本合意した。日本とパプアニューギニアが新たなパートナーとなる。具体的な協力分野として、海洋安全保障、災害救援、情報共有、合同訓練が挙げられている。正式な枠組み合意は2026年後半に予定される外相級会合で詰める方針だ。 【背景・影響】この四カ国枠組みは、中国が太平洋島嶼国との安全保障協定を拡大している動きへの対抗と位置づけられる。パプアニューギニアは2023年に米国と防衛協力協定を締結しており、西側諸国との連携を深めている。日本にとっては、QUADやAUKUSとは異なる「南方」の安保パートナーシップとなり、シーレーン防衛の観点からも重要だ。

🇺🇸AP News政治・外交

日本初の国産長距離ミサイル、実戦配備へ 反撃能力の要として防衛力強化を加速

【概要】日本政府が国産初の長距離巡航ミサイルの配備準備を進めている。2022年に閣議決定した反撃能力(敵基地攻撃能力)保有方針の具体化であり、戦後日本の防衛政策における歴史的転換点となる。 【詳細】AP通信によると、防衛省は改良型12式地対艦誘導弾(射程約1,000km超)の初期配備を2026年度内に開始する方針だ。同ミサイルは陸上自衛隊の地対艦ミサイル連隊に配備予定で、艦発型・空発型の開発も並行して進んでいる。防衛省は「南西諸島方面の抑止力強化」を主目的に掲げ、配備先は九州・沖縄方面が有力視される。開発を担当する三菱重工業は量産体制の構築を急いでおり、2027年度の防衛予算でも追加調達費が計上される見通し。 【背景・影響】日本の防衛費はGDP比2%目標に向けて急増しており、2026年度予算は約8兆円に達した。中国の軍拡と北朝鮮のミサイル開発が背景にある。国産長距離ミサイルの配備は、米国製トマホーク(400発を約2,350億円で取得予定)と並ぶ反撃能力の柱となる。一方、中国外交部は「地域の軍拡競争を煽る」と日本を批判しており、東アジアの安全保障環境への影響が注目される。

🇺🇸espn.com文化・エンタメ

村上宗隆の満塁弾で日本がチェコに9-0圧勝――WBCプール戦全勝で決勝T進出

【概要】WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)2026で、日本代表「侍ジャパン」がチェコ共和国を9-0で下し、プールC戦を全勝で終えた。村上宗隆の満塁本塁打が試合を決定づけた。 【詳細】ESPNによると、日本は7回まで0-0の緊迫した展開が続いたが、8回に打線が爆発。村上宗隆がグランドスラムを放ち、一挙9点を奪って試合を決めた。チェコのオンドジェイ・サトリア投手は電気技師を本業とするアマチュア選手ながら、4回2/3を無失点に抑える好投を見せ、東京ドームの日本人ファンからスタンディングオベーションを受けた。このエピソードは「WBCの精神」を象徴するシーンとして各国メディアで広く取り上げられている。日本はこれでプール戦4戦全勝、準々決勝に進出する。 【背景・影響】大谷翔平を擁する侍ジャパンは2023年大会に続く連覇を目指す。村上は2023年大会の決勝でサヨナラ打を放った「大舞台の男」として、今大会でも中軸を担っている。準々決勝以降の戦いが本番となる。

🇺🇸Japan Times社会・生活

日本のビザ手数料上限が10倍超に急騰へ――新入管法案が波紋

【概要】日本政府が入管法改正案を提出し、ビザ手数料の上限を現行の10倍以上に引き上げる方針を打ち出した。Japan Timesが報じた。ESTA型の電子渡航認証制度の導入も同時に進める。 【詳細】改正案ではビザ手数料の上限が大幅に引き上げられるほか、74カ国のビザ免除国を対象に米国のESTA(電子渡航認証システム)に類似した事前審査制度を新設する。急増する訪日外国人への対応と安全管理の強化が狙いだ。2025年の訪日外国人数は過去最高を更新しており、入管業務の負荷が限界に達しているとの指摘がある。手数料の引き上げ幅は政令で定められるため、国会審議では具体的な金額が焦点になる見通しだ。観光業界からは「インバウンド需要に水を差す」との懸念も上がっている。 【背景・影響】日本は観光立国を掲げて訪日客4000万人を目標としているが、オーバーツーリズム問題も深刻化している。手数料引き上げとESTA型制度は、量から質への転換を図る政策シフトの一環とも読める。外国人旅行者のコスト負担増が渡航先としての競争力にどう影響するかが注目される。

🇬🇧Financial Times経済・ビジネス

日本、豪ライナスとレアアース供給契約を改定――2038年まで延長で資源確保

【概要】日本がオーストラリアの鉱山会社ライナス・レアアースと供給契約を改定し、2038年まで延長した。Financial Timesが報じた。中国依存からの脱却を図る資源戦略の一環だ。 【詳細】新たな契約では最低価格(フロアプライス)が設定され、ライナスに対する投資の安定性が高まった。WSJの報道によれば、日本側はJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)を通じて長期的な調達を保証する形をとる。レアアースはEV(電気自動車)のモーター、風力発電機、防衛装備品に不可欠な素材であり、現在も世界生産の約60%を中国が占めている。日本は2010年の中国によるレアアース輸出規制を教訓に、調達先の多角化を進めてきた。ライナスはオーストラリア・マウントウェルド鉱山で中国外の最大のレアアース生産者だ。 【背景・影響】イラン情勢や米中対立の激化で、サプライチェーンの「脱中国」は加速している。日本はレアアースのリサイクル技術でも世界をリードしており、調達と代替技術の両面から供給リスクの低減を図る姿勢を鮮明にした。

🇭🇰SCMP社会・生活

福島原発事故から15年――復興インフラの維持費が1.5倍に膨張、日本が直面する課題

【概要】東日本大震災から15年を迎えた2026年3月11日、南中国朝報(SCMP)は被災地の復興が新たな局面に入ったと報じた。インフラ維持コストの急増が自治体の財政を圧迫し始めている。 【詳細】マグニチュード9.0の地震と津波、そして福島第一原発のメルトダウンという三重災害は2万2000人以上の命を奪った。15年が経過した現在、復興事業で整備された道路・防潮堤・公営住宅の維持管理費が建設時の1.5倍に達していると共同通信が伝えた。人口減少が進む被災地では税収が細り、巨大インフラを支える財政基盤が揺らいでいる。福島第一原発の廃炉作業は2051年の完了を目指すが、デブリの取り出し作業は依然として技術的課題が山積している。中央政府は今年から追悼式典の主催を取りやめ、記憶の継承も課題として浮上した。 【背景・影響】復興予算の累計は約40兆円に達したが、「ハコモノ」の維持管理という次のフェーズのコストは想定を超えている。少子高齢化と人口流出が続く東北沿岸部で、持続可能な地域づくりをどう実現するかが問われている。

🇺🇸Reutersテクノロジー

日本、国産半導体の売上を2040年までに5倍へ――政府が野心的目標を設定

【概要】日本政府が国内で製造される半導体の売上高を2040年までに現在の5倍に引き上げる目標を打ち出した。Reutersが報じた。経済安全保障と産業競争力の回復を同時に狙う。 【詳細】経済産業省が策定した新たな半導体戦略では、国内チップ売上を現在の約3兆円規模から2040年に15兆円超へ拡大する青写真を描く。政府はRapidusやTSMCの熊本工場など、近年の大型投資を土台に、製造能力と技術力の両面で巻き返しを図る。補助金や税制優遇に加え、半導体人材の育成にも年間数千人規模の計画を盛り込んだ。米中対立が深まる中、先端半導体のサプライチェーンを「友好国」で固める動きと連動している。 【背景・影響】日本は1980年代に世界の半導体市場の50%以上を占めたが、2020年代には10%を下回るまで後退した。5倍という目標は、かつての栄光を取り戻すのではなく、AI・量子コンピューティング時代の新たなポジションを確立する戦略だ。達成には民間投資の呼び込みと技術者不足の解消が鍵となる。

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